2月に入って暦の上では『立春』→『雨水』と次第に春が近づいてくる季節ですが
キャンプ場近隣はまだまだ空気も冷たく、寒い日が続いています。
過去のブログでもご紹介した事があるキャンプ場の看板娘『トラ子(推定15~20歳くらいのメス)』。
昨年の6月頃に口内炎などで食べる事が出来なくなり体調を崩していたのですが
抗生剤や点滴などで一旦体調も回復してこの冬も寒さに負けず元気に過ごしていました。
ただ老猫で完治が難しい口内炎という事もあり2月に入ってまた症状が悪化してしまい
1週間ほど飲食できない状態になり、連休明けの12日に病院に連れて行く予定でいました。
ところが8日の夜からトラ子が行方不明になってしまったのです。
翌日の9日の午前中にトラ子の行きそうな所を探してみましたが捜索範囲も広くて見つからず
10日になってもその姿は見えず・・・。
更に11日の朝は気温も低く雪が舞う程冷え込んだのに小屋に帰ってきた様子もなく、
この時点で最悪の結果を覚悟しなければいけないと感じていました。
猫は死期が近くなると自ら姿を消してひっそりとその生涯を閉じると聞きます。
寒い夜中に自ら暖かい小屋を出て姿を隠した事や、衰弱した体で極寒の中を野外で過ごしていたなら
生きている可能性の方が低く、悔しいけど諦めざるを得ませんでした。
11日の午前中にせめて亡骸だけでも探して埋葬してあげたいと思い、トラ子が普段から
行きそうだった畑や山の奥など途方も無い場所をただただ探しつくしましたが結局見つからず
一旦キャンプ場を後にしました。
お昼をはさんで用事を済ませた後、嫁さんと2人でどうしても諦められず再びキャンプ場に
戻って探す事にしました。だってこの寒空の下、たった一人きりで死んでいくなんて
かわいそうで放っておけなかった。自分が納得できる所までやってそれでも見つからなかったら
その時は諦めようと必死で探しました。
ただあまりにも範囲が広く、呼んでも応えてくれる訳でもないためやはり見つかりません。
夕方も近くなり北風も強くなってきたので最後にトラ子が時々日向ぼっこをしていた場所を
思い出し、最後にここを見て今日はもう終わりにしようと自分に言い聞かせ行ってみる事に。
半泣きで『トラちゃーん』と叫びながら恐る恐る近づいていくと
何やら草むらに小動物の様な枯れ草とは色の違ったものが横たわっている・・・。
『トラー!』
やっとトラ子を見つけました。
この寒い中、こんな所で一人でいたんだね。
良かった、これできちんと埋葬してあげられる・・・。
すぐに駆け寄って抱き上げたその時でした。
温かい・・・。
思わず大声で
『トラがいたよー、生きるよー!!』
と嫁さんと一緒に探していた叔母に聞こえる様に叫んだ。
そうなんです、トラ子は生きていたのです!!!!!
行方不明になってから3日間、寒い夜をどこでどう過ごしていたかは分かりません。
かなりやつれていて、震えていましたが呼吸も弱くなく大事に至らないと判断して
その夜は生涯初めて家の中の暖かなコタツの中で安堵して眠っていました。
翌12日にトラ子を病院に連れて行き診察をしてもらいました。
脱水症状はあるものの、今すぐ命にかかわる様な症状ではないという事と
口内炎もそれほど悪化はしてなくて、抜けかけている歯が噛み合わせに干渉して
痛みが出ていて食べたくても食べられない状態が続いていた可能性があるかもという事でした。
そして14日に再び病院に連れて行き点滴などをしてもらい、投薬を続けながら様子を
見て体調が回復したら口の中を詳しく診察してもらおうと思っています。
今回のトラ子の行方不明は死期を悟り自分の最期の場所を探して起こした行動だったのなら
僕がトラ子にしてあげた事は余計なおせっかいだったかも知れません。
普通の野良猫ならきっとそこでその生涯を終えていたはずです。
でもトラ子は死なずに生きていた。
トラ子は本当に強い生命力を持っています。
これは何となくなのですが、もう一度戻って探したら見つかるんじゃないか。
もちろんその時点では生きているとは思っていませんでしたが、
これは奇跡なんかではなく、サクラやクロ、犬のハナなど天国へ旅立っていった
動物たちが
『トラ子はまだここに来るのは早いよ』
と僕に伝えてくれたのかな?なんて勝手に思っています。
暖かくなる春までは窮屈で自由はないけど家猫として過ごしてもらうよ。
※トイレも1回は粗相しましたが、2回目からは猫砂できちんと出来るようになりました!
でも自由気ままでお外が好きなトラだから、きっと体調が戻ったら寒くても外で自由に生きる方がいいんでしょうね。
せっかく授かった命だもの、治療もがんばらないとね、トラ。