ビッグホーンも1994年に開設し、お陰様で来年の2024年で30周年を迎えます。
第一次オートキャンプブームの真っ只中で開設し
何か特徴のあるキャンプ場にしようと当時東京の調布で
料理屋をやっていた叔母夫婦が人気メニューであったラーメンを
食堂で出してみようという事で食堂を完備したキャンプ場としてオープンしました。
当初は『キャンプ場でラーメン?』、『山奥でラーメンなんて食べる人いるの?』
といった声も耳にする事もありましたが、当時としては画期的だった山梨県内の
ラーメン店を紹介した『山梨のラーメン』という本の表紙に抜擢されるや否や
一気に知名度が上がり、キャンプ場に宿泊されるお客様はもとより地元の方々が
ラーメン目当てに来店してくれる様になり、行列が出来る程の人気を博しました。
その当時のラーメンはいわゆる正統派の醤油ラーメンでカメリアラードを
使用するなど当時としては結構こだわったラーメンだったと思います。
その後、世代交代で私がキャンプ場のオーナーになりそのラーメンも引き継ぎ
4,5年程提供をしていましたが、手ぶらでキャンプをする様になって
手が回らなくなり食堂部門は一旦休止しラーメンは年2回ほどのイベントで
開催するようになりました。
今回作るラーメンは甲府市宝にあったラーメン通の間では有名なお店で
私が最初に食したのは小学生の頃で、当時は店主のお母さん(おばあちゃん)が
作っていて子供ながらに衝撃的な美味しさだった事は今でも鮮明に覚えています。
その後お店の前を通ってもいつも閉まっていて(月曜~金曜の11時~13時までの営業のため)
閉店したとばかり思っていたのがある日店の前を通ると扉に『営業中』という
小さい看板が掛かっているのを発見し迷わず入店したのでした。
それからお店を閉めるまでの数年間は週に2回ほど通い詰めたのですが
濃い味のラーメンは1回目は美味しく感じるのですが、店主曰く
『毎日食べたいラーメンは薄味で甘ったるくないものがいい』と
おっしゃっていました。
昨今、煮干しラーメンというジャンルも確立していますが、
いずれも煮干しの風味を前面に出したものや魚粉などを使った
濃厚系が主流ではないかと思います。
煮干しを使っているとついつい煮干しを前面に出したくなるのですが
”いかに煮干し感を出さずに旨味だけを抽出するかが”
このラーメンの全てと言っていいほど重要な工程であり、
この工程をクリア出来れば旨いラーメンは約束されたも同然です。
透き通ったスープはいわゆる”淡麗系”と呼ばれていますが
スープで割るかえしは醤油がベースですが、限りなく塩味に近いもので
出来るだけ出汁に色を付けないのがこのラーメンの特徴でもあります。
麺もこだわって製麺できればいいのですが、あいにくそこまでの
腕がないので麺は10数年来仕入れをしている甲府市荒川の『三澤製麺』さんに
お願いして極細のちぢれ麺を使用しています。
具材のチャーシュー、メンマも今日仕込みを終えました。
最近流行りの低温調理のチャーシューはどうも苦手で
昔ながらの製法でチャーシューを仕込んでいます。
本家は豚もも肉でしたが私はバラ肉が好きなのでバラチャーシューになっています。
残りの仕込みは6日の朝からスープ作りを済ませて開店に備えたいと思います。
前回の去年の11月に作ったラーメンが過去最高の出来だったので
今回も前回に近いものが作れるといいのですが・・・。
皆さんの期待を越えられる様なラーメンをがんばって作りたいと思います!